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藤城 俊夫; 白川 典幸*; 鶴田 隆治
JAERI-M 83-187, 58 Pages, 1983/11
反応度事故条件下の燃料の温度挙動を解析し、実験結果と照合する上で、燃料ペレットの偏心によるギャップ熱伝達の周方向分布や被覆管に取付けた熱電対のフィン効果による局所的な冷却の影響が無視できないことが分ってきた。また、ジルカロイ-水反応による発熱やUO-ジルカロイ共晶反応によるペレット・被覆管の融着による影響のためにこの局所的な影響が助長される可能性があることも問題となってきている。そこで、以上の各効果をモデル化し、かつ、パラメータ計算に適するよう短時間で処理できるようにモデルを工夫した二次元燃料挙動解析コードNSR-EXENTを開発した。本報告は、NSR-EXENTの解析モデルおよびサンプル計算にもとづく解析機能の評価結果をまとめたものである。
塩沢 周策; 斎藤 伸三; 柳原 敏
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(5), p.368 - 383, 1982/05
被引用回数:9 パーセンタイル:68.89(Nuclear Science & Technology)反応度事故(RIA)条件下での高温時のジルカロイ被覆管と冷却水及びUO燃料との化学反応について、NSRR実験に基づいて金属学的見地から調べた。被覆管-燃料化学反応については、平衡相状態図から説明できることが分った。また、最高被覆管温度の推定方法を金相から吟味した結果、最高温度は1000~1600Cの温度範囲では測定した酸化膜厚から、1600~1950Cの範囲では溶融組織から、そして1950~2400Cでは一旦溶融した-ジルカロイ中の(U,Zr)O折出物の体積比から推定できることが知れた。熱電対取付けによって温度場が乱されること及び非常な高温では熱電対が破損してしまうことの理由から、本稿の方法による推定値は熱電対指示値より妥当性がある。本結果は、苛酷な燃料損傷を生じる仮想事故条件下での燃料棒挙動の把握に対しても応用できるものと考えられる。
柳原 敏; 塩沢 周策; 斎藤 伸三
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(6), p.469 - 481, 1982/00
反応度事故条件下における燃料挙動の解明がNSRRにおいて進められている。実験の結果、UOペレットの偏心のために、被覆管温度が円周方向において異なっていることが判明した。この温度差は180°方向に取り付けた2本の熱電対による測定結果では、必ずしも最大の温度差を表してはいないが、測定可能な範囲内で最大150Cであった。他方、照射実験後、酸化膜厚さから温度差を推定した結果では、290cal/g・UOまでの発熱量条件において最大350Cであった。又、簡単な計算により、最大限UOペレットが偏心した燃料棒において被覆管の円周方向の温度差を評価すると、260cal/g・UOの発熱量において最大350Cの温度差が出来ることが分った。このUOペレット偏心の影響は、反形、溶融等にも現れており、UOペレットの偏心が燃料棒の破損にも影響を及ぼしている。
塩沢 周策; 斎藤 伸三; 柳原 敏
JAERI-M 8267, 22 Pages, 1979/06
本報告は、反応度事故条件下でのUOペレットとジルカロイ-4の化学反応について記述したもので、NSRR実験における照射後燃料の光学顕微鏡観察および電子線マイクロプローブ分析器による元素分析を行った結果についてまとめたものである。燃料が破損するしきい値以上では、UO-とジルカロイの熱力的不安定性のため、UOの一部がジルカロイによって還元され、その結果、ペレットと被覆管の境界部にいくつかのUO-ジルカロイ反応相が形成される。この形成される相に関して元素分析を行った結果、炉外実験や炉内PCM実験の結果と非常に良い一致を示した。また、脆性クラックにより破損したいかなる燃料にも存在するペレットと被覆管との強い結合は、このUO-ジルカロイ反応によるものと結論できる。この結合は冷却時の被覆管の熱収縮を阻止すると考えられ、脆性クラックによる燃料破損にとって重要な因子の一つとなっている。